あなたは今、どんな名刺を使っていますか?
近頃では、小中学生などもメールアドレスや趣味などを書いた自分の名刺を持っているぐらい名刺は「自分の存在を知らしめる」ツールとして、手軽で身近な存在です(そう考えると、日本人は奥ゆかしいようで、案外「知ってもらいたい衝動」が強い国民なのかもしれません)。
ビジネスパーソンであれば、会社員・自営業など問わず、名刺をつくらないことはないかと思います。仕事ではじめて会う方とは名刺交換しますよね? なぜ名刺交換をするのでしょう? 自分がどんなことをしているのかを知ってもらい、必要なときに思いだしてもらい、ビジネスのチャンスを拡げるためではないでしょうか。
ということは、名刺も立派な販促ツールですよね。それほどビジネスに重要なツールであるならば、ひとつここで名刺についてじっくり考えてみませんか。
さきほどの小中学生のパーソナルな名刺のように、名刺は使い方や目的によっていろいろなものがあります。飲食店のショップカードやマーケティング・広告を目的としたものもあります。今回は、一般的なコーポレート名刺についてお話しします。
■名刺の大事な役割を考える
基本的には「名前」「会社名」「連絡先」が書いてあれば名刺ではあるんですが、販促ツールとしての名刺であるならば、せっかくなのでもう一歩踏み込んでみます。
(1)ビジネスの内容がぱっと見てすぐわかる
・何をしている会社なのか
・この人は何ができる人なのか
・この人は私に何をしてくれるのか
(2)つながりやすい連絡先
・どこに連絡してもらいたいか
・必要なときにすぐに連絡がとれる安心感
名刺にとってビジネスの内容がわかることがなぜ重要かというと、あとで名刺を見たときに何をしている会社なのか思いだせないと、おそらくそこに仕事は発生しないからです。
会社名だけでは、何をしている会社なのかわからないものも多くあります(弊社もそうですね)。それなら会社にキャッチコピーをつけてしまいましょう!
何をしているのかすぐわかる内容で、具体的に(専門用語は避けて)覚えやすいものにすると、あとで思いだしてもらいやすくなります。「年間100件の〜」「新橋の疲れたOLさんを癒します〜」など数字や地名を入れるのも効果的です。
会社につけるのが無理ならば「肩書き」にキャッチコピーをつけるのはいかがでしょうか。自分が何をしたいのか、どんなものを提供してお客さんに喜んでもらいたいのかを考えると、自然に「自分の」キャッチコピーは浮かんできます。
まったくできないことをキャッチコピーにするのは問題外ですが、「将来こんなふうにしたい」「こういうことをめざしている」という希望的なことでもよいと思います。肩書きに「自分の」キャッチコピーをつけることの思わぬ効用のひとつとして、それがアファメーション(自己暗示)にもなるということもあるからです。知らず知らずのうちにいつのまにかキャッチコピーのような自分になってた! なんてことも現実になるかもしれません。
「連絡先」なんてあたりまえの情報、などとあなどってはいけません。「つながりやすい」というのがポイントです。
かなり昔、こんなことがありました。制作関係で外部にお仕事をお願いしたときのことです。その担当の人は会社にいつ電話をしても外出しているのです。折り返し連絡はもらえるのですが、急ぎですぐに話がしたいときは困ります。そのとき私は、これからまた同じような仕事が発生しても、次回はほかの人を探そうと思いました。恐ろしい話です。
「つながりやすい連絡先」というのは、ちょっとしたことなのですが、とても大事なことだと思っています。
■名刺にも「思い」を入れる
広告など販促ツールをつくるときには、まずターゲット(どんな人に伝えたいか)を考えます。名刺づくりも同じですよね。
あなたは、どんな人に名刺を渡したいですか?
名刺を通して、どんなことを伝えたいですか?
そんなふうに考えると、たかが名刺づくりも楽しくなってきます。
どんな人にどんなことを伝えたいのか。
キャッチコピーを入れただけでも、かなり「思い入れ」が入った名刺になりますが、名刺の裏面を活用して、もっと伝えたい「思い」を入れてみるのもひとつの方法です。ミッションを書いたり、事業を始めたきっかけや商品開発の苦労話を物語にする、決意表明として「○○○○はしない〜十ヶ条」なんてのも面白いです。
名刺交換のときに裏面を見て、ビジネスの話が盛りあがったり、それではこんなことはできます? なんて相手(お客様)からアイデアのヒントをもらえたり・・・
この名刺を渡したら相手はどんな反応をするだろう? こんな展開になったら嬉しいな・・・と、名刺交換をする未来の自分を想像してみてください。
ビジネスは人と人とが出会うことで始まります。
名刺がその出会いをサポートし、つながりが拡がったらいいですね。
「思い」がたくさん詰まった名刺だから、もう配りたくってしょうがない!
そんな名刺をぜひつくってください。
イズ・アソシエイツ
ディレクター 島倉さつき