映像を取り入れたプロモーション

スペシャルインタビューの第2弾は、
全国の映像クリエーター集団を束ね、自身もテレビ局のディレクターとして数々の番組を生み出してきた株式会社オーエンの東浩司さんをゲストに映像を取り入れたプロモーションのこれからについて3ヶ月にわたり業界の特性を教えて頂きました。今回は最終回です。

第3話

ストーリー性も大事ですが、この「B」「I」「T」の3要素はもっと大切

特に映像では「つなぎの映像」を、皆さん、考えていないのです。

岩本

つなぎの映像?

とおりいっぺんに撮っているだけではなかなかつながらない。どこかのアップが必要だったり、広い絵とか、そういうつなぎの部分での幅広くうまく表現できるような手法ですね。このへんは考えていただかないといけないかなと思います。

岩本

しっかりとイメージできるものを?

先にテーマありきです。何を伝えるかということを考えないといけないですね。そのためにどういったカットが必要か。そういうことを念頭に置きながら、ていねいに撮っていくことになるのではないかと思います。

岩本

先ほど起承転結というのがありましたが、これについても例を挙げてお話しいただけますか。起承転結がある映像とない映像の違いについて、いろいろ審査を行ったと思いますが、これは起承転結があるなとか、これはあまりないなとか、その差の部分で何か事例はありますか。

もちろん起承転結も大事です。ストーリーになっているかどうかは大事です。それと同様にもう一つ大事な要素があります。

私はbitと言っていますが、bitのbはbenefitです。役に立つ情報です。見て、ためにならなかったら、見て損したということになりますよね。
bitのiはinterestです。ゲラゲラ笑うという意味ではなくて、なるほどねと思わせる。聞いていて、役に立つと同時に知的に得したとかそういうことです。
あと、bitのtはtimelyです。なぜ今こんなことを言っているのか。意味があるかどうか。季節に合っているとか、時代に合っているとか、これからの時代のことを考えているかとか、そういうことが伝わるかどうかということがあります。

そういう要素も必ず念頭に置いていただきたい。そういうふうにやると人に見せようという気になります。何が言いたいかというと、結構自分だけで楽しんでいる人が多いのです。作ったけれど、人に見せているけれど、これって、あんた1人で楽しんでいる映像でしょうって。

岩本

そういうのはつまらないですよね。

そういうことになりがちです。自分でストーリーを考えても自分だけの世界のストーリーになっていたりします。それではだめだということを言いたいわけです。もちろんストーリー性も大事ですが、このbitの3要素をぜひ入れていただきたい。

岩本

bitという表現、すごくいいですね。

このことはクリエーターの皆さんにも言っています。この要素がなかったら意味がないと。

岩本

それをクリエーターの皆さんにおっしゃっているのですか?

言っています。例えば今の時期にサクラの映像が届いても困りますもの。(※インタビューは12月に収録)

岩本

それはものすごくわかりやすい例でしょうが、細かいところでそういうのはあるでしょう。

あります、あります、いっぱい。

岩本

寺院の映像、八十八カ所の映像もありますよね?

はい、やっています。

岩本

いつごろやったのですか?

もう完成しています。

岩本

もう何かに活用されているのですか?

いまからです。

岩本

何がきっかけですか?

四国4県と一緒に、四国の代表的な観光とか文化を意識してもらうために、四国遍路、八十八カ所が重要なテーマだということで作りました。

岩本

それは自主的にですか?

4県からお金をもらっています。

岩本

これをやりませんかという企画を立てたわけですか?

岩本

もう素材があるからね。一番大変なのは、行って撮るという労力でしょう。

本当にそうです。紅葉もない、サクラも咲いてない時期に、そんなの、集めるのは大変ですから。

岩本

それにしてもbitはいい勉強になりました。

ありがとうございます。(笑)

岩本

いろいろPRさせていただきながら、うちも活用できるようにどんどんやっていきたいと思っています。

よろしくお願いします。不動産に関してわれわれができるとしたら、不動産の映像も撮るけれど、地図機能ってあったでしょう。

岩本

ありました。

例えば埼玉県の不動産屋さんから、埼玉県の大地図を作っていただいて、ここをこうやってと。

岩本

ある程度のタイミングになったら提案できるという感じですね。

そういうものもできるのではないかという感じがしています。

岩本

われわれが企画を考えて、それが映像的な部分で実現できるかというのを聞いてやれば、そこでまたアイデアが入ったりするわけですよね。

冒頭に言いましたように、作る仕組み、流通させる仕組み、見てもらう仕組み。トータルで活用していただいてもいいし、ここの部分だけでいいとか、いろいろあるのですが、それをトータルで提供しているのがうちの仕事です。たしかに今こういうのどこもやっていないので、映像プロデュースといっても説明が長くなってしまいますが。

岩本

参入障壁はどうですか?今どんどん出ているではないですか。ドカーンとどこかがやってしまう怖さとかありませんか?

最大の参入障壁はクリエーターです。人間は心を持っていますから。

岩本

そのために「個夢劇場」できちっとつないでおく。だから、参入障壁が高い。

そう思っています。たぶん仕組みは、地図の機能とか挙げたけれど、これはできるのです。こうやればこういう仕組みになるんだなとか、それも真似すれば、よそがやろうと思えばできるのです。

岩本

それこそ投資すればできると思いますが、クリエーターは時間がかかりますからね。

絶対にかかります。

岩本

この5年ぐらいでよくここまで……。

ありがとうございます。意地でやったのですが。

岩本

今後も頑張ってください。ありがとうございました。




バックナンバー

【第1弾】 プロモーション(広告・販促・PR)で必要なことは?
グッドピーアール 統括プロデューサー 石野 洋子 氏


 

【第2弾】これからも中小企業は映像の時代なのでは?
株式会社オーエン 総合プロデューサー 東 浩司 氏


 

【第3弾】顧客視点を極めるプロセスとは?
有限会社GMJコンサルティングサービス 小野 裕子 氏


 

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